それまでは
玄関の内側で片方の戸からもう片方の戸に5cm位の小さな棒を渡す形だった。
鉄製のその鍵をカチャって架けると引っかかってもう玄関は開かない。
外から開けるときは戸の合わさった隙間に固めの紙を入れて、
それでその棒を持ち上げて外してた。
昔のうちの鍵は“閂(かんぬき)”
雨戸だって木で十字に組まれた“閂”だった。
簡単なんだけどしっかりしていて問題はなかった。
引き戸を新しくした頃だったと思う。
門も新しくして門の鍵も初めてつけた。
鍵を持たされたのはその時が初めてだった。
何だか家に似合わないって違和感を感じたものだった。
それからいつも持ち歩いた門と玄関のうちの二つの鍵。
その日の朝鍵を閉めたらもう どこも開ける事が出来ない鍵になった。
うちを見るのもこれが最後だった。



























